白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
おっと。
ここで、りっちゃんが動いた。
手にはラブリーワンピを2着もって
桃ちゃんのところまで走っている。
「桃ちゃん」
「りっか、何?
って、どうしたの?
恋兄のワンピを持って?」
「あのね……
このワンピをね
一緒に着て欲しいの」
「は? 六花?
恋兄に洗脳されているでしょ?
六花にお願いされても
私は絶対に着ないからね」
「だって……色違いなんだよ。
だれかとお揃いの洋服を
着たことってないし……
私、桃ちゃんとお揃いの服……
着てみたいんだけどな……」
桃ちゃん
明らかに動揺しているし。
そりゃそうだよね。
あんなトロンとした瞳で甘えられたら
だれだって言うことを
聞いてあげたくなっちゃうよね。
一颯がりっちゃんにメロメロになるのも
わかる気がする。
でも俺は
甘えるなんて恥ずかしくてできない
意地っ張りな桃ちゃんが、
突然ほろっと甘えてくれる方が
たまらなくかわいいって思うけどね。