白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「もうわかったわよ。
今日だけだからね」
「桃ちゃん、
お揃いワンピを着てくれるの?
ありがとう」
「六花にお願いされたら
断れないんだよね。
かわいすぎて」
そんな二人の会話を
ひそかに聞いていた恋都さんが
ここぞとばかりに
二人の間に割り込んだ。
「じゃあ、桃とりっちゃんは
俺の部屋に行こうね。
特別大サービスで
かわいくしちゃうからね」
恋都さんは
俺に向かってウインクをすると
二人の背中を押して
恋都さんの部屋に向かった。
「十環、六花の奴、大丈夫だよな?」
「一颯、大丈夫って、何が?」
「だってさ、男の部屋に行くんだぜ。
いくら桃ちゃんの
お兄さんだからってさ」
「一颯はりっちゃんのことになると
本当に心配性になるよね。
大丈夫だよ。
桃ちゃんも一緒だよ。
何かあったら
桃ちゃんの鋭い回し蹴りが
飛んでくるだろうし。
それに恋都さんは
人の彼女に手を出す人じゃないから。
安心して」
「十環の言ったこと、
信じていいんだよな?」
「うん」
「それなら、信じる。
お前のことをな」
一颯が一応、安心してくれたころ
桃ちゃんのお母さんの美穂さんが
俺たちのところにやってきた。