白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
誰か……
助けてください。
恋兄に連行され
好き放題、顔やら頭やらをいじられた後
ピンクのフリフリロリータ服を
着せられた。
頭には白いレースの
ヘッドドレス。
ひざ下まである
真っ白な靴下をはかされた時には
元気を吸い取られたくらい
げっそりとしてしまった私。
「桃! いい!
すごくいい!
俺の作った服、最高に似合ってるし。
さっすが俺と同じ血が
流れているだけある」
完成系の私を見て
手を叩いて喜んでいる恋兄。
意味が分かんないから。
ロリータ好きな恋兄と
同じ血が流れていると感じたことなんて
1回もないからね。
「ほら、桃。 鏡の前に立ってみて」
「嫌だよ。 絶対に似合ってないもん」
「そんなことないから。 ね」
たま~に
ふと心を許しちゃうような
穏やかに微笑むことがある恋兄。
その笑顔が優しくて
いじけながらも鏡の前に立ってしまった。