白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

 誰か……
 助けてください。


 恋兄に連行され
 好き放題、顔やら頭やらをいじられた後
 ピンクのフリフリロリータ服を
 着せられた。


 頭には白いレースの
 ヘッドドレス。


 ひざ下まである
 真っ白な靴下をはかされた時には
 元気を吸い取られたくらい
 げっそりとしてしまった私。


「桃! いい! 
 すごくいい!

 俺の作った服、最高に似合ってるし。
 さっすが俺と同じ血が
 流れているだけある」


 完成系の私を見て
 手を叩いて喜んでいる恋兄。


 意味が分かんないから。


 ロリータ好きな恋兄と
 同じ血が流れていると感じたことなんて
 1回もないからね。


「ほら、桃。 鏡の前に立ってみて」


「嫌だよ。 絶対に似合ってないもん」


「そんなことないから。 ね」


 たま~に
 ふと心を許しちゃうような
 穏やかに微笑むことがある恋兄。


 その笑顔が優しくて
 いじけながらも鏡の前に立ってしまった。

< 25 / 209 >

この作品をシェア

pagetop