白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「ちょ……ちょっと、恋兄。
意味わからないこと言わないでよ。
私は……全く……」
「ほら、隠そうとしているところが
余計に怪しい」
「だから
隠してるとかそんなんじゃ……」
「桃、そんな真っ赤な顔で否定しても
説得力ゼロだからね。
それにこの前、聞いちゃったからさ。
十環っちにバレンタイン渡したいけど
何をあげればいいかって
誰かに電話で相談してたじゃん」
その時の六花への電話。
恋兄に聞かれていたのか。
「大丈夫。
龍兄にも虎にも
内緒にしておいてあげるから。
さぁ~ どうするかなぁ~
どうやって
桃と十環っちをくっつけるかな~」
恋兄の何かを企んでいるような
不気味な笑顔。
「ちょっと……
くっつけるって……何する気?
恋兄、何もしないでよ!」
「なに言ってんの、桃。
恋に関しては
小学生よりも遅れている桃が
王子様みたいな十環っちを
ゲットできると思っているわけ?」
「思ってないよ。
っていうか
私なんか十環先輩の彼女になるの
100%ムリじゃん。
十環先輩の好みの女の子って
かわいくて守ってあげたくなる子
なんだよ。
それなのに
私は中学の時にヤンキーで
ケンカしていたってことまでバレてるし」
「だから何?
好きな子の好みなんてね
あってないようなものだからね。
好きになった子が
好みの女の子になの。
で、俺に頼ってみる?
それとも、十環っちのことは諦める?」
「恋兄に頼るのは、嫌だもん」
「じゃ、十環っちの彼女になれる可能性
捨てちゃうんだね。
あ~ もったいない。
俺にかかれば
二人をくっつけるのなんて簡単なのに」
え?