白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「桃、
俺が『いいよ』って言うまで
2階にいて」
それだけ告げて
部屋を飛び出した恋兄。
太陽みたいな笑顔につられて
つい言っちゃったけど。
恋兄に協力なんて頼んで
本当に大丈夫かな?
恋兄がいなくなって
いきなり襲ってきた不安の波。
そんな不安を蹴散らすような
恋兄のさわやか声が
1階から聞こえてきた。
「もも~。 降りてきて良いよ」
あ~ もう。
もうすぐお店が開店しちゃう。
恋兄に恋の協力を頼むかどうかは
バイトが終わってから
もう一度考えよう。
そんなことを思いながら
U字の階段を降り始め
踊り場を曲がった時。
「ひゃ!!」
私の瞳がキャラメル色の髪を捉えた。
と……十環先輩が……
階段下に……