白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「十環っち、助けて!!」
写真を撮り終えた私たちの前に
涙目になりながら駆けてきた恋兄。
「恋都さん、どうしたんですか?」
「俺さ、今からちょっと
行かなきゃいけないところができて。
『ロリータ極LOVEの会』で講演してって
頼まれちゃって。
だから十環っち
俺の代わりにお店手伝ってくれない?」
恋兄……
なんじゃその理由。
十環先輩だって
いきなりお店の手伝いをお願いされても
困っちゃうのに。
「恋兄、十環先輩困らせないの。
講演会を断ればいいじゃん」
「俺にとっては
とんでもないチャンスなの。
100年に一度来るか来ないかの
貴重な機会なんだよ。
ね、十環っち、お願い」
今にも涙が落ちそうな恋兄の顔を見て
十環先輩はにっこりと笑いながら言った。
「俺でよければ。
お店の手伝いしますよ」
「十環っち、サイコー!!
龍兄と親父と、プラス一人が
お前のこと大好きな理由がわかったわ」
「プラス一人?」