白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
誰?って首をかしげている十環先輩。
恋兄!
それって明らかに、私ことですよね??
恋兄が
とんでもないことを口走ったから
睨みつけてやったけど。
そんな恋兄は
私にだけ見えるように
とびきりの笑顔でピースサイン。
そういうことか。
私と十環先輩を
くっつける作戦なのね。
って……
そんなの逆効果じゃん!!
十環先輩がお店を手伝うなんて。
だって、だって
私の下僕たちがお店に来るんだよ。
私、そいつらの前になると
無意識にヤンキー語さく裂で
怒鳴りつけちゃうんだから。
不安でしかない私のところまで
階段を上がってきた恋兄が
耳元でささやいた。
『お兄ちゃんに任せないさい』
任せられるか!!!
そう叫びたかったけど
なんとかこの怒りを胸にとどめ
私は階段を駆け下りた。