白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)


 誰?って首をかしげている十環先輩。


 恋兄! 

 それって明らかに、私ことですよね??


 恋兄が
 とんでもないことを口走ったから
 睨みつけてやったけど。


 そんな恋兄は
 私にだけ見えるように
 とびきりの笑顔でピースサイン。


 そういうことか。


 私と十環先輩を
 くっつける作戦なのね。


 って……
 そんなの逆効果じゃん!!

 十環先輩がお店を手伝うなんて。


 だって、だって
 私の下僕たちがお店に来るんだよ。


 私、そいつらの前になると
 無意識にヤンキー語さく裂で
 怒鳴りつけちゃうんだから。


 不安でしかない私のところまで
 階段を上がってきた恋兄が
 耳元でささやいた。


『お兄ちゃんに任せないさい』


 任せられるか!!!


 そう叫びたかったけど
 なんとかこの怒りを胸にとどめ
 私は階段を駆け下りた。

< 37 / 209 >

この作品をシェア

pagetop