白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)


「そうだなぁ。
 いつも笑顔な子がいいな」


 笑顔かぁ……
 私は苦手だ……


「それとね、みんなに優しい子」


 みんなに優しい?
 これもダメだ……


 基本、親友の六花(りっか)以外
 優しくできないし。


 イラッとした相手には
 つい睨んじゃうし。


「女の子って感じで
 守ってあげたくなっちゃう子が良いな」


 女の子って感じ?

 守ってあげたくなる子?



 ……ガーン!!


 ……私の恋


 早くも終わった!!



 だって私は
 守ってあげたくなっちゃうような
 可愛い女の子とは正反対。


 中学の時はヤンキーで番長をしていて
 逆に男子を守っていたし。
 

 だから今でも
 学園からバスで1時間半かかる地元には
 私を慕う仲間というか
 下僕がたくさんいて。


 そいつらが目に飛び込んできた瞬間
 中学から刷り込まれた番長口調で
 まるで女王様のように 
 怒鳴りつけてしまう。



「チョコを受け取れなくて
 みんな、本当にごめんね。

 寒いから、そろそろ教室に戻ろっか」


 十環先輩が移動を始めたのだろう。
 ファンの女子たちも、一斉に大移動。


 そして……


 十環先輩のストライクゾーンから
 完全に外れた私だけが
 ぽつんとその場に取り残された。


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