白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
契約成立
☆桃華side☆
「桃ちゃん、この親子丼おいしいよ」
なぜか今
私の作った親子丼を笑顔で頬ばる
十環先輩が
目の前に座っている。
親子丼を作り終えるまでは
『絶対に美味しい親子丼を作ってみせる』
って息巻いていたから
気にならなかったけど。
ダイニングに二人だけのこの空間。
居心地が悪い。
だって
何を話せばいいかわからない。
『天気は晴れですね?』とか?
『龍兄はアホですよね?』とか?
違うでしょ。
もっと、楽しい話題とかあるでしょ。
考えろ! 考えろ!
無言で親子丼を頬張るこの空気に
耐え切れなくなって
私は思いついたままに言葉にした。