白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

 ひゃ!!

 そんな優しい瞳で見つめてこないで!!


 ドキドキが膨れ上がって
 私の顔が真っ赤になっちゃうよ。

 十環先輩を好きって想いが
 ばれちゃいそうだよ。


 そして私の耳に
 大好きな甘い声が届いた。


「桃ちゃんにお願いしようかな。
 卒業まで。俺の仮の彼女」


 自分から提案したことなのに
 夢みたいな答えにドキドキが止まらない。


 目がなくなるくらい
 ニコッと微笑んだ十環先輩に
 私のハートが
 SOSサインを出まくっている。


 ど……どうしよう……


 やっぱり……十環先輩のことが……
 好きでたまらない。


 返事をしなきゃと思うのに
 心臓の鼓動はうるさいし
 脳なんて働こうともしてくれない。


 頭の中が真っ白になりながら
 何とか言葉を発した。


「仮の彼女。
 なってあげてもいいけど」


 ひゃ~~!!
 私、とんでもないこと言っちゃった!!


 頭が働いてくれなくて
 つい番長言葉が出ちゃったし!!


 十環先輩、どん風に思ったかな?


 心配しながら顔をあげると
 十環先輩がニヤリと口角をあげた。


「良いね。
 俺、今の桃ちゃんの方が好きだな」


 す……好き???


『好き』っていうキーワードが
 十環先輩の口から出ただけなのに
 私の心臓は最スピードで動き出した。


 それに十環先輩
 優しい王子様の仮面を剥がして
 なんか悪魔系に微笑んでいるし。
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