白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)


「だって十環くん、
 守ってあげたくなる子が
 タイプだって……」


 そりゃ私は
 目つきも鋭いし
 背も170センチはあるし。

 守ってあげたくなる女の子のと
 正反対なタイプですよ。


 そんなこと
 あなたたちに言われなくても
 わかっているんだから。

 十環先輩が本気で私を
 好きになってくれないことくらい
 私が一番よくわかっているんだから。


 そんな時
 意外な声が教室に響いた。


「桃ちゃんは
 守ってあげたくなるくらい
 かわいいもん!」


「六花……」


 前までは私以外の人には
 オドオドして話せないタイプだったのに。
 私のことで声を張り上げてくれた六花。

 
 そんな六花に
 十環先輩ファンが噛みついた。


「あんたなんて
 一颯先輩の妹じゃなかったら
 誰からも相手にされないくせに」


 何それ! 

 六花に対して、ひどすぎでしょ!
 

 六花のこととなると
 自分を抑えきれなくなる私。


 それを知っているかのように
 十環先輩が言葉を発した。

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