白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)


「桃、そんなに虎との朝練が嫌ならさ
 俺と二人でやるか?」


「龍兄と朝練なんて、もっと嫌!」


「なんでだよ、桃……」


 怒られたワンコみたいに
 落ち込む22歳の龍兄。


 そんな龍兄のこと
 かわいそうなんて
 これっぽっちも思えない。



「だって龍兄は
 交換条件を付けてくるじゃん。

 組手で甘くしてやるからハグしてとか。
 俺が組手で勝ったら
 これから龍ちゃんって呼んでとか」


「それなら桃ちゃん、俺と朝練する?」


 は? 

 誰だよ。

 私のことを気安く
『桃ちゃん』って呼ぶ奴は。



 どうせ龍兄が
 友達を家に泊まらせたんだろうなと思い
 顔をあげ、声の主を睨みつけた。



 満面の笑みを浮かべたこの人……



 と……


 と……

 
 十環先輩???

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