白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「と……と……十環先輩??!!」
桃ちゃんが俺の腕の中でもがいている。
そんな初々しい
桃ちゃんの反応がかわいくて
もっと強く抱きしめていたいと
思ったのに。
桃ちゃんに両手で突き飛ばされた。
「いきなり……そういうの……
やめてください」
「せっかく勇気を出して
あんな辛い唐揚げを食べたのに。
仮の彼女なら
ご褒美くらいくれるでしょ?」
これはさっきのお返し。
女王様が乗り移ったように
俺に辛い唐揚げを食べさせようとした
桃ちゃんへの、ドS返し。
俺の期待を裏切らない
桃ちゃんの恥じらう姿に嬉しくなる。
「いきなり抱き着かれたら……」
「じゃあ、これならいいよね?」
俺は桃ちゃんの前に
左手を差し出した。
「これって……」
「二人だけの時なら
つないでくれるんでしょ?」
桃ちゃんが
じっと床を見つめること約30秒。
ようやく聞きたかった答えが
俺の耳に届いた。
「手を……つなぐくらいなら……
いいですけど……」