白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
うつむきながら震える右手を
俺に差し出した桃ちゃん。
俺が手を重ねた瞬間
桃ちゃんの体が
ピクリと反応したのが分かった。
俺も
そこそこヤバいかも。
触れ合っているのは手のひらだけなのに
心臓がうるさいほど
バクバク動き出している。
なぜかもう一度
桃ちゃんを抱きしめたいなと
思っている自分がいる。
そんな自分の気持ちをごまかすように
俺はステージを見つめて口を開いた。
俺がこの講堂で
結愛さんを見た時の話をするために。