白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「俺が最初に結愛さんに出会ったのは
中3の冬なんだ。
一颯に無理やり誘われて
この明虹学園に潜入したんだよね。
もちろん、学園長の許可ももらって
制服まで借りてさ」
桃ちゃんは俺の隣で
静かにうなずいてくれている。
「でね、その時に出会ったの。
結愛さんと。
その時に俺が好きになっちゃって。
でも、その時はまだ
自分の気持ちなんて伝えられないまま
バイバイしちゃってさ。
高1になって、この学園の入学式の時に
結愛さんが生徒会長として
ステージで祝辞を述べたんだ。
まさか生徒会長だなんて思っていなくて
俺、自分の目を疑いながら
この場所で固まっちゃって
ステージの結愛さんと目が合った時の
あのドキドキは
今でも忘れられないんだよね」
桃ちゃんは無表情のまま
黙り続けている。
そしていきなり立ち上がると
俺に向かって笑顔を見せた。