白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)


「十環先輩、
 ちょっとここにいてくださいね」


 そう言い残し
 タタタと走り出したかと思うと
 ステージ脇の階段下で
 ぴたりと止まった。


 そして後ろを向いて
 何かをしているなと思った後
 入学式の結愛さんを再現するかのように
 ゆっくりと階段を上り
 ステージの中央まで来た。


「十環先輩!!」


 桃ちゃんが声を張り上げ
 俺を呼ぶ。


「絶対にキャッチしてくださいね!!」


 そう言って
 何かを俺に向かって投げた桃ちゃん。


 ビックリするほどの
 コントロールの良さに
 その場で簡単にキャッチできた。


 これって……
 桃ちゃんの手作りキャラメル?
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