白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
私の頭の中が
ハテナで埋め尽くされている時
虎兄が口を開いた。
「お前、十環って言ったよな。
あの時、ありがとな」
「どういたしまして」
虎兄と十環先輩のやり取りに
またまたハテナが増える。
二人とも同じ高3だけど
学校は違うし。
「虎兄、十環先輩と知り合いだったの?」
「は?
こいつと会った時、桃もいたじゃん」
「へ?」
「覚えてねえの?
桃って本当に、記憶力が皆無だよな。
こいつさ、眼鏡にマスクして。
水色の髪してたじゃん」
眼鏡にマスク。
水色の髪?
虎兄の言葉に
ちっぽけな脳みそをフル稼働。
水色の髪の人に
どこかで会ったような。
どこだっけ? どこだっけ?
はっ!!
………思い出してしまった!!
できれば思い出したくなかったことを
はっきりと思い出してしまった!!