白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
  
 私の頭の中が
 ハテナで埋め尽くされている時
 虎兄が口を開いた。


「お前、十環って言ったよな。
 あの時、ありがとな」


「どういたしまして」


 虎兄と十環先輩のやり取りに
 またまたハテナが増える。


 二人とも同じ高3だけど
 学校は違うし。



「虎兄、十環先輩と知り合いだったの?」


「は? 
 こいつと会った時、桃もいたじゃん」


「へ?」


「覚えてねえの?
 桃って本当に、記憶力が皆無だよな。

 こいつさ、眼鏡にマスクして。
 水色の髪してたじゃん」



 眼鏡にマスク。

 水色の髪?



 虎兄の言葉に
 ちっぽけな脳みそをフル稼働。


 水色の髪の人に
 どこかで会ったような。


 どこだっけ? どこだっけ?



 はっ!!



 ………思い出してしまった!!



 できれば思い出したくなかったことを
 はっきりと思い出してしまった!!

< 9 / 209 >

この作品をシェア

pagetop