同じ空の下~想い描いた2人の夢~
息を少し切らし気味に、現れたのは、1年の乃木くん。

「あ、マネージャー?早いですね!俺、絶対1番だって思って走ってきたのに~」と爽やかに言う乃木くん。

「お疲れ様、残念ね。1番じゃなくて…でもどうしたの?」と私が言うと、

照れたように、「…1年だから…その、1番に来て色々しないと…って」と言う乃木くんを見て、

「いいんだよ?これは私の仕事!あ、ねぇ乃木くん少しだけいい?」と私は言って

少し場所を移動した。

「昨日はキレてくれてありがとう。私もキレたかったけど怖くて出来なかった。でね、もしそれが原因で先輩たちに目をつけられることはあってはならないと思ってね」と私が言うと、

「お気遣いありがとうございます。大丈夫!俺、鉄のハートなんでメンタル問題ないッス」と言ってくれたので、私はほっとした。

「もう1ついい?」と私が言うと、

「はい!なんですか?」と乃木くんは聞いてきた。

少し深呼吸をしてから口を開いた。

「昨日先生が話してた話、どう思った?」と私が聞くと、

一瞬首を傾げたが、私の言葉の意味を理解したのか、

「…どう?って言われても…俺は歓迎ですよ?副主将はマネージャーのこと、良く知ってるからこそ指名したんでしょう?」と乃木くんは笑ってくれた。

なんていい人…

「ほら、でも例が無いわけじゃない?やっぱり、認めて貰えるか、不安はあるんだ」と私が言うと、

「なんでですか?例を作ったらいいんですよ!先生だって歓迎でしょ?」と乃木くん

「あ、もしかして、助っ人に取られて俺がベンチになること辛いんじゃないかって?」と足すように言う乃木くん、

良く分かっておられる!

私は頷く。

「俺…あんまりわかってないっすけど、ベンチも大事な場所なので。あの空間に座ってられるならホントにいいッスよ。だから一緒に頑張りましょ?」と乃木くんは言ってくれた。

ありがとうと私は笑って握手をした。

その様子を複雑そうに春馬先輩が見ていたことなど知らずに。

少しして、春馬先輩が現れた。

「副主将!」と思い切り頭を下げる乃木くん

「…わりぃな。こんな時に…」と春馬先輩は言う。

「あ、いえ。ケガは仕方ないですから…」と乃木くんは言う。

「皆来たら、ちゃんと話するから」と春馬先輩は言った。

数分後、皆が揃い始めた。

春馬先輩は皆を集めた。
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