花火

いつもより少し
頭がスッキリしている。

いつもより少し
朝ご飯を早く食べ終わった。

いつもより少し
丁寧に準備をした。

ちょうど準備が整った頃、
インターホンがなる。

鞄を持って玄関に向かう。


玄関の扉を開けると
新しい制服を少し着崩した藤が欠伸をしながら立っていた。

『おはよう。』

「はよ~」


玄関の門を出ると1台の自転車。

「香後ろ乗って~」

それに跨る藤。

『私は大丈夫だから!
藤先行っていいよ!』
後に乗ったら体重がばれてしまう。

「それじゃ道わかんねえじゃん。」
眠そうに答える藤。

「早く乗って~
俺職員室行かなきゃいけないらしいから。」

昨日とは違ってテンションの低い藤。
これ以上言ったら藤の機嫌が悪くなりそうなので
乗ることにした。

『じゃあ、ごめんなさい。』

「ふっ笑
なんで謝ってんの。」

『だって私重いもん。』

「俺軟弱そうに見えて
ちゃんと筋肉あるから!

しゆっぱーつ!」

藤がそう言って
自転車は進み始めた。

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