花火

そんなことを考えてるうちに
家が見えてきた。

家の隣の家の前に止められた
大きなトラック。

「あっ!
悠介‐ユウスケ‐!!」

トラックから出てきた綺麗な女の人がこっちを見ながら言ってる。

「いたいた!
君、ごめんね
ありがとう!」

そう言って少し後ろを歩いていた
男の子が走り出す。

何だったんだろう、と思いながらも
家に着いて
玄関のドアを開けようとした時

「えっ!?
もしかして君この家の子??」

またさっきの男の子に話しかけられた。

『はい。まあ…』

なんなんだろうこの人は、

「俺、藤原 悠介‐フジワラ ユウスケ‐!
今日この家に引っ越してきたの。
お隣さん同士これからよろしく。」
そう言って家の隣を指差した。
え?
お隣さん??

『よろしく、
お願いします。』

「後で挨拶行くから~
またね!」

そう言って手を降って
家に入って行った。

なんだか不思議な人。
だけどなぜかお隣さんって聞いて柄にもなくワクワクしてる自分がいる。

ほんの少しだけ
退屈な日常から
抜け出せる気がした。

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