【実話】2014〜あの頃〜
そんな最悪な状況のなか迎えた、私の14歳の誕生日。



いまだに松井とは普通には話すけど、あの日から距離感を感じていた。


というか避けられていた。



話してて笑うときも、絶対に私とは目を合わせてくれない。


それにかりんもたくみも気づいていたけど、2人はそのうち松井も落ち着いたら元に戻るよ!と励ましてくれた。



けど、そうやって避けられる毎日が辛くて、悲しくて、前みたいに笑い合いたい気持ちでいっぱいだった。




誕生日の日、お昼休みに突然かりんから画用紙を半分に折り曲げた色紙を渡された。




「、、えっ、えっ、!?なにこれ!?」


友達に色紙を渡されたのは初めてだった。


「ゆうこちゃんの誕生日にみんなで作ったの!」


そう言われて、中身を見ると、



かりん、たくみ、松井だけじゃなくて、


ももか、こうき、


そして同じクラスの子たち、


松井集団の子達からのメッセージがいっぱいに埋まっていた。



こんなことをされたのは初めてで本当に嬉しくて、そしてもう一緒にはいない他の2人のメッセージもあったのが嬉しかった。



けどなによりも嬉しかったのは、



正直松井のメッセージだった。





けど、松井のメッセージはいつメンということもあり区切られたスペースは大きいのに、



『お誕生日おめでとう!いつもありがとう、これからもよろしく!』


程度の短いことしか書かれていなくて、


その周りの空白のスペースを埋めるかのように、多分かりんが描いたハートや星のマークがあった。




それに気づいて少し悲しいような気持ちもあったけど、やっぱりトータル的にはこんな誕生日を祝ってもらえたことが嬉しかった。




それに加えて、かりん、たくみ、そして松井からプレゼントを用意されていたらしい。


正直かりんとたくみからもらったのは文房具とか実用的なものだった記憶しかないけど、



松井からもらった入浴剤とメモ帳は今でも柄までしっかり覚えている。



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