王妃様の毒見係でしたが、王太子妃になっちゃいました
やがて仕立て屋がやってきて、カイラのためのドレスを見立てた。
これはクロエが主導権を握っていて、用途に応じたドレスを次々と選んでいき、カイラの好みを考慮して時折ライザが口をはさむ。ロザリーはほぼ出る幕無しだ。
その後、お仕着せとして、生地を同じにしつつ、デザインは異なるドレスを三人分注文する。
採寸し、デザインと生地を選ぶ作業は、楽しいが結構疲れるものである。
終えた後は、みんなでお茶を飲むことにした。
「……そうそう。今度アイザックと会えることになったの」
思いがけないカイラの発言に、ロザリーは身を乗り出した。
「本当ですか?」
「ええ。でも、警備兵が見張っている中での面会だから。大したことはできないわ。あなたが元気でいることも伝えられるか分からない」
「それでもいいです。ザック様の様子が聞けたらそれで……」
ホッとし、瞳を潤ませるロザリーを、カイラは母親のようなまなざしで見つめる。
「ありがとう」
「え?」
「きっとあの子は、あなたが待っていると思えば、希望を失わずにいられるわ」
カイラのくれたその言葉は、なにもできなくてもどかしさを感じていたロザリーを慰めるものだった。
ホッとしたのか悲しいのか嬉しいのか分からない涙が、ロザリーの頬を伝う。ロザリーはしばらく顔を上げられなかった。
これはクロエが主導権を握っていて、用途に応じたドレスを次々と選んでいき、カイラの好みを考慮して時折ライザが口をはさむ。ロザリーはほぼ出る幕無しだ。
その後、お仕着せとして、生地を同じにしつつ、デザインは異なるドレスを三人分注文する。
採寸し、デザインと生地を選ぶ作業は、楽しいが結構疲れるものである。
終えた後は、みんなでお茶を飲むことにした。
「……そうそう。今度アイザックと会えることになったの」
思いがけないカイラの発言に、ロザリーは身を乗り出した。
「本当ですか?」
「ええ。でも、警備兵が見張っている中での面会だから。大したことはできないわ。あなたが元気でいることも伝えられるか分からない」
「それでもいいです。ザック様の様子が聞けたらそれで……」
ホッとし、瞳を潤ませるロザリーを、カイラは母親のようなまなざしで見つめる。
「ありがとう」
「え?」
「きっとあの子は、あなたが待っていると思えば、希望を失わずにいられるわ」
カイラのくれたその言葉は、なにもできなくてもどかしさを感じていたロザリーを慰めるものだった。
ホッとしたのか悲しいのか嬉しいのか分からない涙が、ロザリーの頬を伝う。ロザリーはしばらく顔を上げられなかった。