王妃様の毒見係でしたが、王太子妃になっちゃいました


それから数日後、国王陛下から、コンラッドとクロエの婚約の許可が出た。
国王の許可が出れば、一伯爵家であるイートン伯爵もそれ以上の反論はできない。
まだ喪中であることを踏まえ、城勤めの貴族にだけ披露されたものではあるが、これにより、イートン伯爵令嬢と第三王子の婚約は周知の事実となる。

同時に、アイザックは王位継承権放棄に関する書類への署名と同時に、釈放されることになった。

それをザックは、警備兵から聞かされた。ザックの主張は、父には聞き入れられなかったのだ。

公式に発表された釈放理由はこうだ。

【バイロン王太子の死因はたしかに毒によるものだが、王国警備隊の調べとアイザック王子殿下への取り調べの結果、事故によるものだと判明した。
アイザック王子は自身が殺害されそうになった輝安鉱について調べるために、調査用としてそれを保持していた。しかし欠けやすいそれが、自分のポケットに入り込んだことには気づいていなかった。
その輝安鉱が、見舞いの際にバイロン王太子の部屋に紛れてしまい、王太子を死へと追いやってしまったのだ。
調査中に、自分が兄の死のきっかけを作ったことに気づいたアイザック王子は非常に落ち込んでおり、偉大な兄を失わせた責は自分にあると、王位継承権を放棄し、一伯爵に臣籍降下することを決めた】
< 62 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop