王妃様の毒見係でしたが、王太子妃になっちゃいました
「では二年。それ以上は待ちません。……ロザリー、待っててくれるな?」

「はい」

「……べつに行き来を制限しているわけじゃないんだ。ケネスが戻ってきたら、一度ロザリー嬢を連れて遊びに行かせるよ」

イートン伯爵の提案にロザリーも本当の笑顔になる。

「はいっ。楽しみにしてます。ザック様も辛くなったら手紙をくださいね。いつだって助けにいきますから」

「やれやれ、どっちが守られているのか分からないな」

久しぶりの和やかな空気に、ザックは肩から力が抜けていくのを感じる。
自分が思っているよりずっと、軟禁生活が彼に与えた苦痛は大きかったのだ。
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