恋を知らない花~初恋~
披露宴が終わると、二次回まで時間があった。
1時間程控え室を使わせてもらえたので私たちは少しラフな服に着替え、やはり会話が絶えなかった。
主に私の話で、あんなに沢山の男性の中でなぜ真中さんだったのかと2人で分析していた。
結局、人柄の良さだろうというところに落ち着いた。
どこが好き?どこもかしこも。
嫌なところは?私にだけおどおどするところ。
なぜ特別なの?何でだろう?
一つ一つ考えてもこんな曖昧な答えしか出てこなかった。
ただ、私にだけ苦手意識を持っているのかもしれないというところに腹が立ったし、傷ついた。

「でも苦手とする人物に迫られてその気になるかな?気持ち悪いとか、怖いとかしか感じないと思うけど?」

と美希は言ってくれた。
こんなに苦しいのになぜみんな恋をするのかな?
私の胸は痛いばかりだった。

二次回はバーを貸し切ってのそんなに多くない人数で行われた。
夏樹は大人っぽい紺色のカクテルドレスに着替えていた。
各々が好きなお酒を頼んで乾杯をした。

夏樹はみんなに挨拶に回って私たちの席に座った。

「ねぇ、ねぇ、どうなってるの?前言ってた結衣の初恋って真中さんだよね?すっごい偶然!そして本当に琢磨のことごめんなさい。改めて怒っておいたから。結衣の気持ち知ってるからこそ勘違いしてひどいことした琢磨は最低!」
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