恋を知らない花~初恋~
水を飲んでいた真中さんは少し焦った様子で顔を赤らめる。
ペットボトルをカウンターにおくと私の腰に手を回して自分に引き寄せた。

「夢みたい。本当に私でいいんですか?」

「言ったでしょう?一目惚れだったんです。はぁ、夢みたいなのは俺のほうです。すぐに嫌になっても離せませんよ。」

「なりませんよ。私のほうこそ幻滅されても離しませんよ。」

お互い笑い合ってキスをする。
これから2人の時間を積み重ねていくのが楽しみ。
真中さんは私を抱えると寝室へ連れて行く。

「きゃっ!真中さん思ったよりも身体、逞しいですよね?」

「どんだけ軟弱に思われてたんでしょうか?少年チームから大学まで野球をしてました。その習慣で出来るときには筋トレしてますよ。筋肉がお好きならもっと張り切って頑張ります。」

「えぇ、じゃあ一緒に運動とかもしたいですね。ジムデート!フフッ、楽しみ。」

私は抱きかかえられたまま真中さんの首に抱きつく。

「さぁ、服を着て下さい。本当に襲ってしまいますよ。」

ベッドの横におろされる。私は首に手を回したまましがみついてわざと離れなかった。

「離れたくない。」

「じゃあ今日はうちでゆっくり過ごしましょう。夜に送って行きます。それにさっきから2人ともおなかが鳴ってますよ?何か食べませんか?」

「フフフッ、確かに、おなかペコペコです。でもシャワーも浴びたいです。」
< 139 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop