恋を知らない花~初恋~
でも初恋だし、遠慮してても楽しくないのでいろいろと希望は口に出してみている。
優しいから雄一さんはほとんど叶えてくれる。

一緒に鍋をつつきながら日本酒を飲む。
雄一さんとお酒を飲むと楽しくてつい飲みすぎちゃって、ふわふわする。

「結衣さん、先にお風呂入って下さいね。片付けは俺がするから。」

「えっ?私も一緒にします。」

「結構酔ってるからいいですよ。お皿割ったりしたら危ないでしょ?」

「じゃあ、お言葉に甘えて。飲みすぎてごめんなさい。」

テーブル上の食器を片付けをしている雄一さんの横に行き頬にキスをした。

「任せて。ふらふらしてるから気をつけて。」

今度は雄一さんからチュッと唇にキスのお返しをもらう。
こんなイチャイチャは自分の人生には縁も必要もないと思っていた。
でもこんな穏やかな時間が幸せでたまらない。

お風呂から出て髪を乾かしている時に雄一さんが脱衣場を覗く。

「結衣さん大丈夫だった?転けてませんか?」

「フフフッ、子どもじゃないですよ。大丈夫。」

私は鏡越しに雄一さんを見る。
目が合うと優しく微笑んで私を後ろから抱きしめた。

「もう髪は乾いた?俺が乾かしたかったのに…」

「ヘヘッ、じゃあまた今度お願いしますね。」
< 144 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop