恋を知らない花~初恋~
「ここはイチャイチャ禁止ですよ。」

後ろから言われ、振り向くとニヤリ顔の拓也だった。

「イチャイチャしてないもん。雄一さんの筋肉を触らせてもらってただけです。」

「それがイチャイチャでは?」

「違います。」

私と拓也が言い合っていると、雄一さんから腕に置いていた私の手を払われた。

「こんにちは。真中と申します。お会いするのは2回目ですが自己紹介してませんでしたので。」

笑顔で拓也に挨拶をし、雄一さんは右手を差し出した。

「そうですね。鳥越と申します。お久しぶりです。結衣からお噂は聞いていたんですよ。仲良しそうで安心しました。」

拓也もよそ行き顔の笑顔でそう答え、雄一さんと握手を交わす。

「ハハッ、噂…お恥ずかしいです。」

なんとなく気まずい空気が流れる…

「も、もう私たちは帰ろうかと思ってるの。お相手の方は?」

「あぁ、今トレーナーにおすすめのサプリを見せてもらいに行ってるよ。俺たちももう帰ろうかと思って。」

「そういえばご婚約されたんでしたかね?おめでとうございます。」

「ハハハッ、まだプロポーズはしていないんですよ。タイミングを見てそのうち…元々お見合いでしたので結婚を前提としたお付き合いをさせていただいてます。」
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