恋を知らない花~初恋~
「そうですね、こちらでお会いしたのも何かの縁ですし。」

雄一さんがそう返事するから驚いて顔を見る。
そんな私を見て拓也は笑っていた。
この人たちは何を言ってるんだろう…気まずくはないのだろうか?
拓也も笑ってるし…

「でも…この後シャワーしますし、お化粧するのは時間がかかってしまいますのでまたの機会に…」

「そうですよね…是非、いつかご一緒しましょう。」

「はい。是非。」

私は笑顔で答えて雄一さんを見る。
雄一さんはなぜか真顔で拓也を見ており、拓也は私を見て笑っている…
気まずい…

「じゃあ、雄一さん行きましょうか?」

「えっ?えぇ、」

「更衣室は男女別ですよ?真中さんは俺と行きましょう。結さんを頼むよ。じゃあ、結さん、また後で。」

拓也はそう言うと雄一さんと男子更衣室の方へ歩いて行った。
何を話すんだろう?大丈夫かな?

「あの、私たちも行きましょうか?」

2人の背中を心配そうに見ていたら東郷さんが隣に来て心配そうに私を見ていた。

「そうですね、すみません。ぼーっとしちゃいました。ハハハッ」

こちらはこちらで気まずいのでは?
東郷さんはどこまで私たちの関係を知ってるんだろう…
< 156 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop