恋を知らない花~初恋~
「拓也さんから、このジムを紹介してくれたのが川井さんだと伺ってます。スタッフの方たちも親切で楽しくって、最近では1人で来ることも増えたんですよ。」

「気に入ってもらえたなら良かったです。私も自宅近くにもジムはあるのですがこちらのほうが楽しくって、平日はよく私も1人で来てますよ。」

「川井さんのスタイル、憧れます。本来なら拓也さんも川井さんのような方がお好みでしょうし…」

「えっ?」

驚いて東郷さんの顔を見る。

「お付き合いされていたんですよね?すごく美人ですし、綺麗な顔立ちの拓也さんの隣にいても劣る事なくお似合いです。」

『何か察してはいると思うけど。』ってさっき拓也言ってたなぁ。

「フフッ…。そんな、私は雄一さん、真中さんとお付き合いしてますし、似合う似合わないではないですよ。それに東郷さんは私にはない可愛らしさがあってうらやましいです。拓也も可愛いって自慢げに話してましたよ。」

「拓也…そうですか…私の話をされてたんですね。私も早く川井さんのように拓也さんともっと仲良くなりたいです。」

つい拓也って呼んじゃったけど…不愉快だよなぁ。
気まずい…

「大丈夫です。もし本当に東郷さんが彼をお好きなら。私が言うのもおかしいですが、拓也のこと宜しくお願いします。」

「えっ?はいっ。きっと私はもう拓也さんのことすごく好きなんだと思います。お付き合いが初めてで戸惑うことばかりですが、大切にしていただいているのを感じます。だから私も拓也さんのこと大切にします。」
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