恋を知らない花~初恋~
「フフッ、安心しました。実は真中さん、私の初恋の人なんです。だからどうしていいかわからなくて戸惑う事もありますけど、自分の希望は口に出して言うようにしてます。あとは反応見て引いたり押したり。」

「初恋?再会したってことですか?」

「いえ、初めてお会いしたのが4年前くらいです。ずっと営業先の担当で…私が彼を好きだって教えてくれたのが拓也なんですよ。」

「でも、拓也さんとお付き合いされてたんですよね?」

「フフッ、大切な人には変わりないですが…何というか家族のような、お兄ちゃんのような存在なんです。一緒にいて違和感はありませんがお互い恋焦がれることもなかったんです。」

こんなに私が話していいのかな?
不純な付き合いだったからなんて説明していいか…

「うらやましいです。家族って、私も早くそういう関係を築けたらと思います。川井さん、話しやすくて安心しました。是非一緒に食事行きましょう。もっとお話したいです。」

「えぇ、是非。家族って私と彼は兄妹みたいなものなで、東郷さんとは夫婦としての家族になるから愛情の種類が違いますよ。それに、私も初めて経験してますが恋人同士の期間も楽しいですよ?関係を焦らなくても、今を楽しみましょう。」

東郷さんは可愛く微笑むとシャワー室へ入って行った。
私もシャワーをかかると服を着てドライヤーを当てる。
周りを見渡してみてもまだ東郷さんは出てきていなかった。
挨拶せずに行くのもと思ったが雄一さんを待たせてもと思い、更衣室を出てロビーへ行く。
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