恋を知らない花~初恋~
「えっ?え~と、私はコーヒーだけで大丈夫です。胃もたれしてますので。ありがとうございます。気をつけて。」

「はい。いってきます。」

「いってらっしゃい。」

ドア越しに話をすると玄関の音がかすかにして真中さんの気配はなくなった。
私は迷わずバスルームに入って行きシャワーを浴びた。
本当にキレイに掃除してあって髪の毛一本落ちていなかった。
私が気にすると思って朝から掃除してくれたんだと思うと本当に申し訳なかった。
それと同時に私を連れて帰ってくれたのが真中さんで本当に良かった。

真中さんは私が困らないようにわかりやすく何でも出しておいてくれ、たぶん朝一度コンビニに行って買って来てくれたのだろうお泊まりセットの化粧品や新しい歯ブラシなどが置かれていた。

ドライヤーを借りて服は昨日着ていたスカートに真中さんのTシャツを借りた。下着はさすがに替えはなく昨日のままだ。仕方がない…

軽く化粧直し用に持ち歩いている化粧品で化粧をしてリビングに出て行くとコーヒーの匂いが漂っていた。

「ちょうど良かった。コーヒーが入りました。」

「何から何までありがとうございます。化粧品まで…何回もコンビニに行かれたでしょう?」

「何回もってわけではないですよ。不自由はなかったですか?」
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