恋を知らない花~初恋~
その日も拓也に家の下まで送ってもらった。

拓也は必ずいつもマンションの前まで送ってくれる。
だから他の誰にも自宅を教えた事はなかったが拓也だけは私の家を知っている。

私が特定の誰かとお付き合いしないのは、大失恋して忘れられない人がいるとか、付き合った人にひどい仕打ちをされたからもう誰とも付き合わないとかそういういかにもな理由はない。

きっと私の感情の何かが欠落してるんだと思う。人間は普通に好きだ。
でも、今まで何人かの男性と付き合ってみたが人としては好きだが恋愛としての好きまでにはならなかった。
そして付き合うとなると束縛されることも多くめんどくさい事が出てくる。
なら私はセックスだけでいいと思ってしまっただけだ。
体は満たされるし、束縛もない。

しかも一人に絞らないのは、それぞれに良いところが違っていて楽しいからだ。
世間一般に最低な女だともわかっている。

私は恵まれたことに容姿は悪くないと思う。
周りからもそれなりにチヤホヤされてきた。

ただ容姿が良いのは生まれもったものでそれをどう活かすかは自分次第だ。
よく周りからはうらやましいと言われるけど保つための努力はそれなりにしている。

体型を保つための運動や食事管理、美容のためにもいろいろしている。

どんなに美人でも猫背で肌がガサガサで体型も崩れていたらどうだろうか?

逆に姿勢がよく、適度に引き締まっており肌もツルツルできれいにしているとそれなりに美人に見えないだろうか?
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