恋を知らない花～初恋～
「買いすぎちゃった。まさか両手に荷物になるなんて。拓也は買い物？」

周りを見渡してみる。

「ああ、何となく見て回ったけど俺はさっぱり良い物が見つからなかった。ちなみに一人だよ。そっちは？」

「フフッ、私も一人よ。さすがにこれ以上買っても持てないから帰るところ。」

両手の荷物を持ち上げながら言った。

「いつもそんなに買うのか？用事がないなら付き合えよ。」

「今日は特別。早く忘れたい事があって、気晴らししてたらこんなになっちゃった。付き合うって何に？ちょっと反省中でそういうことは自粛させていただきます。」

少し冗談っぽく頭を下げながら言ってみた。

「ハハッ、結衣が自粛ってよっぽどだよな？まぁいいよ、ゆっくり聞くことにして健全なデートしようぜ。車を近くに置いてるから荷物置いて俺の買い物付き合ってよ。」

「美味しいものを食べさせてくれるなら！」

また冗談っぽく返事をする。

「よしっ、じゃあ行くか。」

そういうと拓也はヒョイッと私の荷物を取り歩き出した。
きっとモテるんだろうなぁ。
顔も整ってるし、華がある。やることなすことも体型もスマートだし、美味しいお店沢山知ってるし。
話も面白くて、きっと世の女性陣はほっておかないだろう。
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