恋を知らない花~初恋~
岩崎さんはそう言うと私の向かいのイスに座ったので私も座る。
早速用意した書類を差し出し商品に関して話をしようとすると岩崎さんは私の話を遮るように話しはじめた。
「真中が話していた通り、美人ですね。あいつを誘惑する事なんて簡単だったでしょう?お世辞にもモテるタイプでもなければ器用に女性をかわすことも出来ないヤツなんでね。」
「えっ?誘惑って…」
まさかそう言う話をされると思わずびっくりして岩崎さんを見る。
「真中と自分は同期でして、仲がいいんですよ。よくいろんな事を相談したし、相談されました。まさかあいつから女性問題で相談されるとは驚きましたよ。あいつとそういう関係になって上手く売上実績を伸ばすつもりだったんですか?うちとの契約は大口ですからね。」
真中さんはあの日のことをこの岩崎さんに話したんだ。
岩崎さんの様子からきっと怒っているんだろうな。
動悸とともに、心臓が痛い…。
何も答えられずにいると岩崎さんは立ち上がりテーブルを隔てたこちら側へきた。
私の隣のイスに座るとこちらへ向く。
殺気を帯びた笑顔で私を舐めるように見ると、右手の甲で私の首筋を撫でる。そのまま手は下へと下ろし胸の上まできた。
冷たい何かが背筋を通り抜ける。
慌てて後ろへ避けようとしてイスから落ち尻餅をつく。
そのまま後ずさろうとするけどイスから立ち上がった岩崎さんに上に跨がられ覆い被さられた。