恋を知らない花~初恋~
拓也と会った翌日は早朝会議でいつもより1時間早く出社しなければいけなかった。

あまりこんな無茶はしないのだけど…拓也と予定が合うのは久々だったし、今日さえ乗り切れば明日は休みだったから。

でも寝不足な上に体も痛い…
はぁ、さすがに若くはなくなってきたってことかな…

会議はそれなりに乗り切り、会社訪問も1社だけだった。
午後からは今週分の書類整理に、来週の準備くらいだ。

よしっ、頑張ろう!

今日訪問する会社は取引先の中でも大手の方で、気を抜けないところではある。
そこへ今日は新商品の紹介も兼ねての訪問だから気合いを入れていかなければ。

昨日のうちにアポは取ってあるから遅れないように早めに会社を出た。
そう遠くはなく、バスで向かう。

この会社は受付で取り次いでもらい、いつも応接室に通される。

待っている間に、可愛くてきれいな身のこなしの受付嬢がいつもお茶をだしてくれる。

この会社の担当の真中さんは黒縁メガネをしており、黒髪でセットもしていないのではという冴えない感じの方だ。
同年代くらいで、身長はヒールを履いている私よりやや高い程度だ。

そしてお客様の立場でそこそこ大きな契約をしてもらっているのに偉ぶることもなく、どちらかというとややおどおどとしており私がお客様なのかなって勘違いしそうになる。
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