恋を知らない花~初恋~
退職しなければいけないとまで考えてたからその言葉に涙がこぼれた。
「あ、ありがとうございます。」
目にハンカチを当てている手がまだ震えていた。
課長も手の震えに気づいていたと思う。
「本当に怖い思いさせたな。今日はもうこのまま帰って休め。伊藤にだけ少し話をしてあるから呼べばすぐに出てこられるよう待機してもらってる。あいつを今日はお前のそばにいさせるから。一人にはなるな。」
「えっ?美穂ちゃんが?そこまで迷惑はかけられません…」
「大丈夫、伊藤はああみえて空気も読めるし、しっかりしてるから他言もしない。だいたい、こんなに震えてる部下をひとりにできないが俺も男だからな。こんな時は女性がいいと思ってな。伊藤はウマも合ってそうだしな。」
村田課長は本当に部下一人一人をよく見てて理解してると思う。
上司が彼で本当に良かった。
「わかりました。本当にありがとうございます。」
「あとさっきから気になっていたんだけど、ずっと鳴りっぱなしの電話はもしかしたら真中さんか?」
確かに切れてはまたかかってきている。
カバンの中でバイブ音が響いていた。
カバンの中からスマホを取り出し、画面をみるとやはり“真中さん”と表示されていた。
「あ、ありがとうございます。」
目にハンカチを当てている手がまだ震えていた。
課長も手の震えに気づいていたと思う。
「本当に怖い思いさせたな。今日はもうこのまま帰って休め。伊藤にだけ少し話をしてあるから呼べばすぐに出てこられるよう待機してもらってる。あいつを今日はお前のそばにいさせるから。一人にはなるな。」
「えっ?美穂ちゃんが?そこまで迷惑はかけられません…」
「大丈夫、伊藤はああみえて空気も読めるし、しっかりしてるから他言もしない。だいたい、こんなに震えてる部下をひとりにできないが俺も男だからな。こんな時は女性がいいと思ってな。伊藤はウマも合ってそうだしな。」
村田課長は本当に部下一人一人をよく見てて理解してると思う。
上司が彼で本当に良かった。
「わかりました。本当にありがとうございます。」
「あとさっきから気になっていたんだけど、ずっと鳴りっぱなしの電話はもしかしたら真中さんか?」
確かに切れてはまたかかってきている。
カバンの中でバイブ音が響いていた。
カバンの中からスマホを取り出し、画面をみるとやはり“真中さん”と表示されていた。