恋を知らない花~初恋~
今日も時間より早めに応接室に入ってきた。

「お、おはようございます。いつもお越しいただいてありがとうございます。」

「おはようございます。こちらこそ、お忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございます。」

いつもの挨拶を終え、席に座った。

「あの、今日ですがうちの上司の城戸が是非、川井さんのお話を伺いたいと申しておりまして同席させていただきたいのですが…会議の時間が押しておりましてもうしばらくお待ちいただけませんでしょうか。」

本当に申し訳なさそうにな顔で真中さんが話す。

「はい。私は大丈夫です。時間も特に制限はありませんし、弊社の商品に興味を持っていただけて嬉しいです。」

私は懇親の営業スマイルで受け答える。

城戸課長が来られるまで20分ほどは真中さんとこれまでの商品についての話や新商品についての話をした。

話をしていると応接室の電話がなった。

「す、すみません、あの、城戸はあと5分ほどで参りますとの連絡でした。良ければお茶を新しいのと変えますね。冷めてしまいましたし。コーヒーや紅茶もありますが川井さんは何がお好きですか?」

「お気遣いありがとうございます。私のことはお気になさらないで下さいね。」

「あっ、でも、新商品の話ですと長くなりますし、城戸のコーヒーも一緒に頼みますので。川井さんも遠慮されないで下さい。」
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