恋を知らない花～初恋～

「うん、拓也らしくていいと思う。そっか、付き合うか…私なんかでいいのかな？仕事優先だし、ジムにも行きたいな。でもさ、私も拓也と過ごす時間は好きだよ。楽しいし。お見合いはいつごろ？」

「たぶん2か月後あたりかな？相手のお嬢さまは今留学してるらしくて日本にいないんだ。俺も一緒にジム通うよ。そういうのも楽しそうだし、結衣が残業なら俺がご飯作るし、俺が残業ならご飯作って待っててくれたら嬉しい。」

拓也もこんな顔するんだってくらいふやけた優しい笑顔で話す。
そんな風に拓也と過ごしてみるのも楽しそうだ。
幸い、もう夜のお相手たちからは断ってばかりで愛想を尽かされてるしな。

「そうね。楽しそう。でも他の方々はどうするの？」

「ん？他の方々？あぁ、そんなのとっくに切れてるよ。結衣だけでいいって思うくらいお前の魅力に引き込まれてたんだ。フッ、好きだよ。受け入れてくれてありがとう。」

アゴを持ち上げられてチュッと唇にキスをしたかと思ったら、顔中にチュッ、チュッ、チュッて…

「もぉ～！拓也酔ってる!?この話も覚えて無かったりして？」

いつもと雰囲気が違いすぎるからどこまで本気なのか不安になる。

「ハハハハハッ、結衣、好きだ。」

急にまじめな顔して唇にキスをする。
それからはお互い酔っててベッドに行くとくっついて眠った。