恋を知らない花~初恋~
「ふ~ん、幸せそうで良かった。」

「そうだな、思い描いてたとのとは違って思いがけず幸せだよ。もっとわがままでいかにもお嬢様って感じのヤツと結婚すると思ってたからな。逆にこんな俺でいいのか不安になるよ。」

「フフッ、拓也でもこんな俺って思うんだ。大丈夫だよ、拓也だもん。好かれないはずない。」

「まぁ、頑張るよ。ところでそっちは?アイツとは向き合えたのか?」

「あ~、え~っと…」

返事に困った。
せっかく拓也に教えてもらったのに向き合えないまま失恋しましたって…言えない…

「その顔は上手くはいかなかった顔だな。お前なら選り取り見取りだろ?次に行け次に。アイツよりいい男は沢山いるよ。」

なんて拓也から励まされて別れた。
あっさりしてるもんで別れた後ももうあの時のような淋しさはなかった。

その夜、家に帰って衝動的に引っ越しを決意した。
なにかして前に進まないと!
決めてからは行動が早かった。
偶然にも何件か賃貸のサイトを見ていたら条件にぴったりな部屋があり早速内覧の申し込みをした。

「川井先輩何を見てるんですか?昼休みにスマホばっかりいじってるなんて珍しいですね。」

って美保ちゃんに声をかけられ、引っ越すことにしたから部屋を見に行くって言ったら内覧についてきた。
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