私にとっての至福の時間は
……まぁ、そんなことがあって、私はオリキャラを沢山描いた。

うまくなりたい。そんな思いが、私の中に生まれるようになった。いつしか、イラストレーターになりたいって思うようになっていったんだ。

沢山、沢山、1日に最大5人ものオリキャラを描いて、ある時は漫画や動画の絵を参考に描いたりした。

そして、2年生の文化祭がやって来た。

私たち、美術部は一人一枚以上絵を展示することになっていて、私はハロウィンをモチーフにしたオリキャラと、影絵を描いた。

お母さんも文化祭に来ていて、私の絵を見てびっくりしたみたい。

最初、お母さんは私の描いた影絵に目が行ったらしく、その影絵を描いたのが私だって知って、すっごいびっくりしてた。

それを、お父さんに報告すると、お父さんは、その影絵を褒めてくれた。何て言われたのかは、覚えてないけど。

確か、私しか影絵を描いてなかったからだったかな。

「えへへ……」

絵を見せても、あまり褒めてくれなかったから、すっごい嬉しかったのを覚えている。

文化祭が終わり、いつものようにクロッキーをしながら自由に過ごしていたある日。

私たちの部活は、終わりの方になると忙しくなる。

卒業式の日に、体育館に飾る旗を作るためだ。
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