君がどこにいても
心から愛せる人。心から愛しい人。そんな想いを込めて、廉は陽菜にキスをする。一回で止めるはずが、キスはなかなか止められない。

「廉くん、グロス取れちゃったじゃない!」

陽菜がそう言ったので、「えっ!?ごめん!」と慌てて廉は謝り、陽菜の口にグロスをもう一度塗った。

「ねえ、廉くん……」

陽菜はそっと廉の手を取り、自分の胸に当てた。ドクドクと陽菜の心臓の音が廉に伝わってくる。

「私の愛の真ん中には、いつも廉くんがいるからね」

優しい笑顔でそう言われ、廉はまた陽菜にキスをしたくなった。またグロスが取れるといけないので、それを必死に堪える。代わりに、廉も口を開いた。

「僕も、君を永遠に愛し続けると今約束するよ。愛してる」

「あたしも、愛しています」

廉の頰に柔らかな感触が触れる。陽菜が廉の頰にキスをしていた。

「グロス、取れるんじゃなかったの?」

廉がそう訊ねると、「キスしたくなっちゃった」と陽菜は笑う。廉も堪えきれなくなり陽菜の両頬を包み、キスをした。
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