会いたいなんて言わないから
 「いった。何?…嘘でしょ…」

後ろを振り返ると、散々なものが目に入りました。

倒れたバイク、前方が大破した車、大破した車の中で何か怒鳴っている人、そして…

血塗れで横たわった人…

「…、タクマ…?タクマ!嫌!タクマ、起きて。起きて起きて起きて!タクマぁ…」
容姿からして、おそらくタクマでした。

「おいあんた!大丈夫かい?」
話しかけてくる人、残酷な景色。それも全て見えなくなりました。

遠くから来るサイレンと共に。
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