夢のような恋だった
音楽学部とは違う雰囲気、そして絵具だろうか油のような匂いがして、私はキョロキョロと周りを見回した。

おしゃれな人が多く、髪の色をはじめファッションも色とりどりで、私はかなり場違いなきがして気後れしてしまう。

「朝倉咲良?」
不意に階段の上から聞こえた声に、私はその声の主を探すために上を見上げた。
まだ日差しが入るこの時間は、ちょうど逆光になっていて私は目を細める。

「はい」
顔をはっきり見ることが出来ないまま、返事をするとその声の主は少し笑ったような気がした。
「こっち」
低く甘い声に、なぜかドキッとした。
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