夢のような恋だった
「しばらくここの部屋でやるから」
そこは小さめの教室ぐらいの部屋で、映像制作部部屋なのだろう、パソコンやキーボードをはじめ機材が並んでいた。

「わかりました」
未だにこの現実が信じられない気持ちのまま、周りを見渡していた私は視線を感じた。

「改めまして、長谷川誠真。今回咲良と一緒にやることになったから」
いきなりの呼び捨てに私はポカンとしてしまう。

「音楽のお嬢さんに呼び捨てとかダメか悪い」
大して悪びれていないように聞こえて私は啞然としつつも、ムッとして言葉を返す。
「そのお嬢さんってやめてください! どうせ私は地味ですよ」
その言葉に今度は長谷川先輩が、表情を歪めたのがわかった。

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