夢のような恋だった
それが温かく触れた長谷川先輩の唇のせいだと分かったのは、2.3秒後だった。

「咲良、誠真って呼べよ」
まだ唇が触れてしまいそうな距離で言われたその言葉に、私は目を見開く。

「咲良」
甘く、甘く、私の名前を呼ぶあなたは、何を考えているの?
西日のせいか、アーモンド色のきれいな瞳が赤く光る。
それがあまりにも幻想的で、目が離せなくて、その瞳に吸い込まれるのが怖くなり、私は瞳を閉じた。
その瞬間、そっとキスが降る。

製作は無事に完成して、かなりの評価をもらえて、この件に参加できて本当に良かったと思った。

そして、あの時だけの関係だと思っていたが、誠真は気が向くと私の家に来るようになった。いつのまにか一緒にいる時間が増えていく。
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