彼女を恥ずかしがらせたい

ダブルデートは
カフェで昼ご飯を食べるという形になった。

しっかり観察してやろう。





涼太たちに会った時、


彼女たちはキャーキャー言って、
ハイタッチしていた。




偶然にも、
彼女たちは中学の時の友達らしい。

まじか…

涼太も同じく驚いていた。





昼ご飯のオムライスが届いた。

ご飯を食べ始めて、30分後ぐらいのことだ。


涼太の彼女の口元に、ケチャップがついている。

涼太もすぐに気づいたらしい。


「ケチャップついてるよ」


涼太は、さりげなくティッシュで拭き取っていた。

やるな…

涼太の彼女は顔を真っ赤にしている。

「あぁ、駄目だよ。他の人の前で赤くしちゃったら。こうた、見ないで」


涼太が慌てている。おもしれぇ。



「いや、ほんと。あかりって変わって無いね。中学の時も、ご飯粒ついてたし」

俺の彼女が笑っている。可愛い。


「そうなんだ。僕が初めて彼女に話しかけた時も、口元にケチャップがついてたよね」

「うあー!やめてっ。涼太のばかあ!」

どんどん赤くなっていく涼太の彼女。


「だって、あかりが他の人の前で可愛い顔を見せちゃうから…ほら、また赤くなってる。駄目だよ?」


涼太はドSなのかもしれん。

「こうた、見んな」



俺はそっと視線をそらした。


……………………無理。


涼太の視線が…耐えられん。

「ちょっと、トイレ行ってくる」


涼太の彼女の顔が落ち着くまで、俺は席を外すことにした。
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