7日間の同居で、モテモテ幼なじみと両想いになるまで。
と同時に、なにかがついていたのか、樹があたしの頭を手で払う。


「虫でもついてた?」

「…いや、べつに」

「じゃあ、なにっ?」


そう尋ねても、樹は無言。

そのままリビングへ戻ってしまった。


あたしにはわかる。

なにかに怒っているんだと、樹の背中から読み取れた。


「なーに怒ってるの?」

「怒ってねーし」


と言う樹の顔は、口がへの字に曲がっていて、やっぱり怒っている。
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