ベストフレンズ
5分ほどして、沙也、真美が連れ立ってやってきた。

「瑠香、由美、久しぶり!」

「由美、意外と早く来てたのね、いつもは遅れるのに」

「も~っ、あたしは、働きバチか。金曜日くらいは、早く帰るよ」

と、膨れる由美。

「由美は働きバチじゃないよ、女王バチだよ。課長なんて、すごいもん」

「さっきは、瑠香に『貫禄ついた』って言われたり、今度は、『女王バチ』?およそ、女の子に対する誉め言葉じゃないよ・・・」

がっくりと肩をおとす由美。

「ごめん、悪気はなかったんだ」

と沙也。

「真美も沙也もいいよね。結婚してさ。私には、彼氏の『か』の字もないもん」

「由美、彼氏ほしかったの?言ってくれればよかったのに。旦那の友達で彼女募集の男、たくさんいるよ」

とこれは真美。

「でも、こんな、仕事女なんか」

「でも、『仕事と私とどっちが大切なの?』とか、言わないでしょ?それって、男性にとっては魅力だと思う。同じように、仕事をがんばってる女性って」

「そうかなぁ?」

「決まり!旦那に伝えとくね。返事、楽しみにしてて」

「ありがとう」

ここで、美樹が滑り込んできた。

「ごめん、遅くなっちゃった!」

「大丈夫だよ。遠くからゴメン。大丈夫だった?」

「うん。みんな集まったようだし、始めよっか。とりあえず、みんなが好きな、梅サワー?」

店員を呼ぶ、ブザーを押す由美。
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