ボードウォークの恋人たち
それでも完全に避けることはできなくて顔を合わせてしまうこともあった。
「行ってきまーす」
玄関を出ようとしたところでばったり兄とハルに出会ってしまった。ハルと正面から顔を合わせるのは2ヶ月ぶりだろうか。
「日曜なのに朝から塾か」
兄は最近勉強ばかりする私を心配していて、もっと肩の力を抜いていいんだぞって何度か言ってくれていた。
「午前中は塾で勉強するから午後から友達とカラオケに行ってくる」
私の答えに常々息抜きしろと言っていた兄はそうかと笑顔を見せる。
「カラオケ?!」
なのにハルが1オクターブ高い聞いたことのない声を出した。
何か文句がある?と横目で睨むと反対に渋い顔をされた。
「女子中学生がカラオケなんて絶対にだめだろ」
「ハルには関係ないでしょ」
どんな権利で言ってるのか。しらけた視線を送るとハルは硬い表情をしていた。
ハルと私の間にちょっと嫌な空気が流れていることを知っている兄が「まぁまぁ落ち着け」とハルに言う。
「一緒に行くのは詩音ちゃんか?」
兄が訳知り顔で聞いてくる。
「うん。詩音のママが一緒に行ってくれる。あとは塾の友達が何人か」
「そうか。なら大丈夫だな。気を付けて遅くならないようにしろよ。」
「うん。行ってくる」
兄は何か言いたそうなハルを押さえつつ私に早く行けと顎をしゃくった。
玄関ドアを開けると「早く帰ってこ…」とハルが何か言っていたけれど聞かずに歩き出した。
背後からさらに「水音!」ハルの叫ぶ声がしたけど無視。後は兄にお任せだ。
背後で「ハル、水音は反抗期なんだよ。お前もちょっと落ち着け」と言ってる兄の声が聞こえた。
反抗期だって?
私、反抗期じゃないし。
無視してるのはハルに対してだけだし。
ま、いいっか。ハルを避ける理由があればそれでいい。
「行ってきまーす」
玄関を出ようとしたところでばったり兄とハルに出会ってしまった。ハルと正面から顔を合わせるのは2ヶ月ぶりだろうか。
「日曜なのに朝から塾か」
兄は最近勉強ばかりする私を心配していて、もっと肩の力を抜いていいんだぞって何度か言ってくれていた。
「午前中は塾で勉強するから午後から友達とカラオケに行ってくる」
私の答えに常々息抜きしろと言っていた兄はそうかと笑顔を見せる。
「カラオケ?!」
なのにハルが1オクターブ高い聞いたことのない声を出した。
何か文句がある?と横目で睨むと反対に渋い顔をされた。
「女子中学生がカラオケなんて絶対にだめだろ」
「ハルには関係ないでしょ」
どんな権利で言ってるのか。しらけた視線を送るとハルは硬い表情をしていた。
ハルと私の間にちょっと嫌な空気が流れていることを知っている兄が「まぁまぁ落ち着け」とハルに言う。
「一緒に行くのは詩音ちゃんか?」
兄が訳知り顔で聞いてくる。
「うん。詩音のママが一緒に行ってくれる。あとは塾の友達が何人か」
「そうか。なら大丈夫だな。気を付けて遅くならないようにしろよ。」
「うん。行ってくる」
兄は何か言いたそうなハルを押さえつつ私に早く行けと顎をしゃくった。
玄関ドアを開けると「早く帰ってこ…」とハルが何か言っていたけれど聞かずに歩き出した。
背後からさらに「水音!」ハルの叫ぶ声がしたけど無視。後は兄にお任せだ。
背後で「ハル、水音は反抗期なんだよ。お前もちょっと落ち着け」と言ってる兄の声が聞こえた。
反抗期だって?
私、反抗期じゃないし。
無視してるのはハルに対してだけだし。
ま、いいっか。ハルを避ける理由があればそれでいい。